2025年4月14日
病気の説明
歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石の蓄積により歯茎や歯の周囲組織が炎症を起こし、進行すると歯が抜ける原因となる病気です。犬や猫において最も一般的な口腔疾患の一つであり、3歳以上の犬猫の約80%が何らかの歯周病に罹患しているとされています。
歯周病は以下の2つの段階に分けられます。
歯肉炎(軽度)
・歯と歯茎の境目に細菌が増殖し、歯茎が赤く腫れる
・適切なケアを行えば、まだ回復可能な段階
歯周炎(重度)
・炎症が歯肉の奥深くまで進行し、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊される
・放置すると歯が抜けたり、細菌が血流に乗って全身の臓器(心臓、腎臓、肝臓)に影響を及ぼすこともある 犬では小型犬(チワワ、トイプードル、ダックスフンドなど)が特に歯周病になりやすく、猫ではシニア期(7歳以上)の猫や短頭種(ペルシャ、エキゾチックショートヘアなど)での発症率が高いとされています。
症状のポイント
歯周病の症状は初期の段階では気づきにくいことが多いため、以下のようなサインに注意しましょう。
口臭が強くなる
・「口が臭う」と感じたら、歯周病の初期兆候の可能性がある
・歯垢や歯石の蓄積による細菌の繁殖が原因
歯茎の異常
・歯茎が赤く腫れる(健康な歯茎はピンク色)
・進行すると出血しやすくなる
・歯と歯茎の間に隙間(歯周ポケット)ができる
食べ方の変化
・硬いフードを避けるようになる
・片側の歯だけで噛む
・食事中によだれが増える
歯のぐらつき・抜け落ち
・進行すると歯がぐらつき、やがて抜け落ちる ・痛みのため、食欲低下や元気がなくなることもある
全身症状のリスク
・歯周病の細菌が血流に乗ると、心臓病(心内膜炎)、腎臓病、肝臓病を引き起こすことがある
・免疫力が低下した高齢の犬猫では特に注意が必要
治療のポイント
歯周病の治療は進行の度合いによって異なりますが、基本的には「歯石の除去」と「口腔ケアの継続」が重要です。
軽度の歯周病(歯肉炎)
・スケーリング(歯石除去)を行い、炎症を抑える
・全身麻酔下で行うため、事前の健康診断が必要
・処置後はデンタルケアを継続することで再発を防ぐ
重度の歯周病(歯周炎)
・歯周ポケットが深く、歯槽骨が破壊されている場合は抜歯が必要
・炎症が強い場合は、抗生物質や抗炎症薬を使用することもある
・早期に治療しないと、周囲の健康な歯にも影響を及ぼす
在宅でのデンタルケア(予防が最も重要)
歯周病の進行を防ぐためには、毎日の口腔ケアが不可欠です。
歯磨き(最も効果的)
・犬猫専用の歯ブラシと歯磨きペーストを使用する
・最初はガーゼや指で優しく慣らしながら始める
・1日に数回のブラッシングが理想
デンタルガム・デンタルフードの活用
・歯垢の付着を減らす効果があるが、歯磨きの代わりにはならない。
マウスウォッシュやスプレー
・歯磨きが難しい場合は、口腔用の抗菌スプレーやリンスを活用する。
定期的な歯科検診
・半年から1年に1回、歯科検診を受けることが推奨される ・早期発見・早期治療が重要
まとめ
歯周病は犬や猫にとって非常に一般的な病気であり、放置すると歯の喪失や全身疾患につながる可能性があります。初期段階ではほとんど症状がないため、普段から口臭や歯茎の変化に気を配り、早めに対処することが重要です。最も効果的な予防策は、毎日の歯磨きと定期的な歯科検診です。愛犬・愛猫の健康を守るために、早い段階からデンタルケアを習慣化し、歯周病のリスクを軽減しましょう。